デザイナーやイラストレーターやってると、毎回ゼロから作らなきゃいけないので大変です。
でもお客さんが喜んでくれると嬉しいので頑張ります。
時々「元データちょうだい」って言われることがあります。
自分で印刷したいとか、後々変えて使いたいとか、色々。
まぁ気持ちは分かります。
ちょこちょこ印刷したり、自分たちがやってることに合わせて内容変えてつかったりしたいですもんね。
いやでもね、そこでデザイナーもイラストレーターも「はいどうぞ」って簡単に渡しちゃダメです!
著作権は作った人にある
まず、絵もデザインも、音楽も写真も、それを作った人間に著作権があります。
著作権とは、超ザックリいうとその作品を使う権利のこと。
作った作品はグッズにして販売したり、ウェブサイトで公開したり配布したり、色んな使い方があります。
それをしていいは、その作品を作った本人だけなんです。
依頼するためにお金を払ってもらっていても、それは著作権を持つことにはなりません。
だから、元データをホイホイ渡す必要はありません。
第三者が他人が作った作品を許可なく売ったり勝手に公開したりすると、それは著作権侵害にあたり、犯罪となります。
10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が科される可能性があります。
作品を使う権利を売っている
デザイナーやイラストレーターへの依頼にかかる費用っていうは、そのイラストやデザインを作る技術料に加えて、使用料が含まれていることが多いです。
例えばチラシ制作を依頼した場合は、「そのデザインを作る技術とチラシを使う権利」を買っているんです。
なので作品の著作権自体を購入していることにはならないんですね。
先ほど書いたように、作品の著作権はそれを作った人間にあります。
他のところに使わないで
似顔絵入り名刺の制作を依頼されて引き受けたとします。
その依頼主が「ウェブサイトとポスターにも使いたいから元データ頂戴」と言われた場合、簡単に渡してはいけません。
著作権の中には「同一性を保持する権利」が含まれています。
作ったものを第三者が改変したり加工したりするのは、実は著作権法違反。
改変したい場合は制作者の許可が必要です。
なので簡単に元データを渡してはいけません。
この場合制作者は「著作物の二次使用料」を請求することができます。
作ったものを約束したところとは別のところに使う使用料の請求です。
(チラシに使ったデザインをwebサイトに使う、等)
使うところによって、大体制作料の30%~70%の請求ができます。
もしどうしても自分たちで改変して今後も使いたいと相談された場合は、著作権ごと譲渡するのがいいです。
制作者が持つ著作権を依頼者に買い取ってもらうということです。
こちらは制作料の数倍から数十倍請求しているところが多いです。
高いと感じるかもしれませんが、これは制作者が持っている正当な権利。
渡したものをあれこれ使われてしまうと、こちらが損するだけでなく、後々トラブルになる可能性もあります。
最初に約束する
トラブルを防ぐため、最初のお見積りの段階で約束しておくことが大切です。
- 著作権は制作者にあること。
- データ(もしくは著作権ごと)の譲渡はしない。
どうしてもしたい場合の費用はいくらか。 - 二次使用が発生する場合は都度料金が発生すること。
これらを事前に知らせておき、きちんと納得してもらった上でお仕事するのがいいです。
自分の権利を守るためにも、気を付けていきたいですね。